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映画・音楽を作る・その他の話。

 実験!

前にSHM-CDのことを書いた。
実はその後、「これがSHM-CDだ!」っていうサンプラーを手に入れていて
いつかちゃんと聴いてやろうと思ってたんだけれど、やっと取りかかります。
以下、実況風にいってみます。
このサンプラーは通常CDとSHM-CDの二枚組。
17曲入り。それぞれに同じ楽曲が入ってる。
ラインアップがすごい!ヴェルベッドアンダーグラウンドに始まり、
キンクストラフィック、で KISS、レインボー、コステロ、スタカン、シェリル・クロウ
これで1000円。普通にオムニバスとして非常にお買い得。
で、CDとSHMを聴き比べてみると、やはりあきらかにSHMのほうが抜けがいい。
曲によってはボリュームが違って聴こえたりもする。
ほんとはCDプレイヤーを2台用意して切り替えて聴けば正確なんだろうけれど、
そこまでやる気にはならず(笑)、取り替えて聴いているので。あくまで印象ね。
あえて言えば 16bit44.1kのCD に対して、24bit48k のマスターくらい違って
聴こえる曲もある って感じ。曲によってはそんなに差を感じないものもあるけど。
帯には「同じマスターからプレスした通常CDとの比較もできる!!」ってある。
さて、ほんとでしょうか?実験。

こういう場合は、できるだけ聴き込んでるやつがいいかと思って、
コステロAlisonスタイル・カウンシルの Shout to the top を
ProTools LEに取り込んでみる。
2曲ともオリジナルのCDを持っているわけだけど、そうとう音悪い(苦笑)
時代的にまだデジタルマスタリング技術が熟成してないのだ。
ちなみにAlisonは1993年版の再発も持っていたのでそれも取り込み。
さて聴く前に波形を見てみよう。
Alison
おや、サンプラーの二つは同じに見えるなあ。
オリジナルはやっぱり、相当波形が小さい。。再発ものはやっぱリマスターしてるようだ。
Shout to the top。
これもサンプラーの二つは同じっぽい。
オリジナルは こりゃ弱そうだ。。
さてAlison。やっぱりサンプラーの二つは同じマスターだ。
でしっかりレベルいれて今風のマスタリングがしてある。
これっていつバージョンなのかなあ。コステロって再発しすぎてて何種類出たかよくわからん。
オリジナルはやっぱもこもこ。再発版は軽くEQしてあるみたい。
個人的にはこれが一番聴きやすかった。新しいのは音がきつすぎる感じがする。
もちろんSHMのせいではなくて、マスタリングね。
Shout to the top。
これもサンプラー音源の二つは同じでした。
そりゃそうだよね。いまやこうやって家で波形レベルで確認なんて簡単にできるわけだから
簡単にばれるようなことはしないってこと。
でも、これも今バージョンはマスタリングきつすぎる。個人的には。
オリジナル、しょぼいけど、これでボリュームあげてステレオでちょっとEQして聴くほうが
昔レコードで初めて聴いたときの印象には近いかも。
どうでもいいけど、今バージョンの方がFOのタイミングがだいぶ遅くて
最後の繰り返しをたくさん聴ける。別にロングバージョンってわけではなく。
いま出てるCDだとどれに入ってるんだろ?あ、オレのがシングル集だからか。
シングル用FOってことね。Our Favorite Shop はアナログしか持ってないのです。


ということで、確認した曲ではCDとSHM-CDは同じマスターからプレスされていました。
そうしたら、材質の違いだけであんなに音が違うってのはけっこう怖いかも。
だって今までのCDだとぜんぜんマスターの音を聴けてなかったってことでしょ。
レーザー光の透過性がよくなったから音がよくなったなんて、アナログじゃないんだからさ。
SHM-CDに保存したワードの文章のほうが、レイアウトがきれいとか文章が読みやすくなった
なんてないわけで。速かろうが遅かろうが読みにくかろうがなんだろうが、
データなんだから本来は同じく聴こえるはず。実際にPCでとりこんだ場合はおんなじデータに
なるんだからさ。透過性がよくたって、おんなじ波形になります。
ということはやっぱリアルタイムで読みつつ再生してるときのエラー補正なんだな。
CDだとかなりハード側で補正しちゃった音を聴いてるってこと。
というわけでSHM-CD、威力はあることがわかりました。
でも、指紋やキズをべたべたつけたら、CDと同じような音になるのかな。
そして、PCにとりこんだら一緒!なんてことで言えば、同じマスターにずいぶん違う
金額を払うのもどうか と。
普通のCD買ってきて、PCに取り込んで(44.1k16bit のaudio fileで)
高級ADコンバータ経由で聴くのが一番いいんじゃないかな。
mp3で聴く人には元々あんまり関係ない話だよね。


ところで、マスタリングの違い、やっぱり大きいです。
そして、レベルつっこんで、リミッターで疑似迫力だして、マルチコンプで
派手にする っていうようなマスタリングはアナログ録音時代のマスターには
向いてないんじゃないかって、そろそろみんなが気づいて欲しいものです。