now’s the time !

映画・音楽を作る・その他の話。

 歌詞。

若い頃は作詞・作曲的なこともしていて、(もちろんそのクオリティは
なんだったら、パスタ料理の腕のほうが自慢できる くらいのレベルでしたが)
その後、レコードレーベルのディレクターとなり、いろんな曲に関わったのだけれど
日本の音楽マーケットでは、歌詞の重要性、というか歌詞こそがヒットの要因として
最重要であるというくらいに言われがちだ、あるいは だったと僕は思っています。
ただ、個人的にはそれがずっとどうもひっかかっていて。ほんとうにそうかと。
まあ、なのでぼくはJ-POPのディレクターとしては、いまいちだったのかもしれないし(苦笑)。
ブログで特に仕事のことを語る気はないので、このくらいにしておくのだけれど、
自分の中ではすっと腑に落ちる文章があったので、引用させていただきます。

菊地成孔さんのブログより

「 というか話はむしろ逆で、何かを撃つ本質的な言葉の力において、わざわざこうして中指を突き立てた替え歌を作らずとも、斉藤和義さんには「歩いて帰ろう」というとてもステキな曲がありまして、これ<ポンキッキーズ>という児童向け番組の(確か)挿入歌ですが、老婆心ながら申し上げるならば、これをそのまま、まったくいじらずに歌った方が、現状に対する、痛烈な批評として、「ずっとウソだった」より、遥かに強い力を発揮したのに。と思うばかりですね。」

オリジナルはこちら。
http://www.kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110410052133


言葉で話したり、書いたりしたほうがより伝わるとしたら
なぜ、歌にしたり、映画にしたりするか。
「いいストーリー」を味わいたいなら小説のほうがいいのではないか。
いやそれですら、なんとかのかけそばみたいなものになるなら疑問でもあるし。
標語のような当たり前の言葉を直接言わずにどうそれを表現するか、
ということが自分の中でずっと引っかかっているポイントであり、
上に引用させてもらった文章は、逆のシチュエーションなんだけれど、
ラブソングを書く際であったも同じスタンスが必要なんだ などと
個人的には思いました。