まず出て行くことだ。そして戻らないことだ。
80年代のことを思い出しつつ、なんとなく昔のノートをひっぱりだしてみた。
そう、ぼくには田舎の古本屋のすみで無造作に積まれている、
今となっては少しも役にたたないファッション雑誌みたいな
ノートがいくつも残されている。
「まず出て行くことだ。そして戻らないことだ。」
1987年3月2日のぼくは、そんなことを書いていた。
まだまったく雪に覆われた冬の札幌の部屋で、そんなことを思っていたのだろう。
それから20年近くがたとうとしている。
19年前の字もずいぶん違うとはいえ、ぼくの文字だ。
一度きまった「キャラクター」は根本的には変わらない。