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映画・音楽を作る・その他の話。

 To say good-bye is to die a little.

レイモンド・チャンドラーの本の話です。
ぼくくらいの年齢の男性の中には、小さいころ明智小五郎金田一耕助シャーロック・ホームズ
そういう探偵ものの小説を熱心に読んだことがある人が少なからずいるはず。
もしかしたら世代は関係ないかもしれないし、性別も関係ないかもしれないけれど。
とにかく、僕は小学生くらいのときに探偵小説をたくさん読んだ。
探偵小説? 推理小説? ミステリー?
個人的には探偵小説って言い方が好きだったと思う。
で、いろんなタイプの探偵に憧れるわけなんだけれど、
いつだったかはっきりとは覚えていないタイミングで、フィリップ・マーロウ
知るわけです。
読んだときの年齢だと、ぼんやりとはしているんだけれど、とにかく台詞が
かっこよかった!LAの風景とかまったく想像もできなかったけれど
いちいち、気の利いたことを言ってるのはわかる(笑)。
その後、中学、高校になって、片岡義男とか村上春樹とか読み出して、
なるほど、とか思ったりもするんだけれど^^


前置きが長くなった。
『3冊の「ロング・グッドバイ」を読む』という本を読みました。

3冊の「ロング・グッドバイ」を読む―レイモンド・チャンドラー、清水俊二、村上春樹― (ソリックブックス)

3冊の「ロング・グッドバイ」を読む―レイモンド・チャンドラー、清水俊二、村上春樹― (ソリックブックス)

そりゃ、かっこいい台詞は英語で読みたいし覚えたいのだけれど
いかんせんそうもいかず、翻訳を読むわけで、チャンドラーに関しては
名訳と呼ばれているものもあるし、最近、翻訳しなおされたものもある。
この本は「ロング・グッドバイ」の原書と二つの翻訳をあたまから淡々と
比べていくという本。
翻訳というものの難しさを改めて知りつつ、「へえ〜」の連続で読み終わりました。
自分で分析のようなことをするのが大変で、その能力にも疑問があるので、
amazonの書評を読んだりしてみた。
そうそう、そこが面白かったなあ という部分は同じです。
その中でひとつ驚いたのは、
村上春樹氏に翻訳による「ロング・グッドバイ」。
ぼくは初版のハードカバーを持っているはずなんだけれど、
その後にでた新書くらいの大きさのやつでは、約750カ所もの修正がされているとのこと。
さらに文庫版では加えて約160カ所もの修正が入っているとか。
うーん。文庫版読み直したほうがいいのかなあ。
村上さんはオリジナルの小説でも形態が変わるときには修正をいれているようだ。
村上さんに限らず、どの作家さんもそうなのかな?
音楽の場合、そういうときにはリミックスとかリマスターとかの表記はほぼ必ず行われる。
でも、こっそりやる場合もないわけではない、かも。。(とちょっと曖昧にしたりw)

とりあえず、やはり原書で読める力をつけるのが一番かとは思います。。。
道は遠い。