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映画・音楽を作る・その他の話。

 Will change come to Japan...?

さて、31日になっております。
そんなタイミングでちょっと考えさせられたことを書いておきます。
Change と言えば オバマ ってことで、来年アメリカはどう変わるのか。
ぼくは毎年数回Laに行っていて、音楽がらみの知り合いがそれなりにいるんだけれど、
普通の会話の中に「ブッシュが大統領で恥ずかしい」とか「オバマになってアメリカは変わる!」とか
いう言葉が普通に出てくる。
それだけ、身近なことで興味も持っているということでもあるし、人が大事だってことでもある。
アメリカ人は働かないとか、クレームつけないとサービスが悪いとか、いろんな評判がある。
実際住んでみると、ものすごく主張しないと、日本ではなんの問題もなくすむことが
うまくいかないらしい。短期間いるだけでも、いかに日本のサービスがいきとどいているかを感じる。
でも、音楽の仕事で行ってみるとその現場のプロフェッショナルぶりは驚くくらい。
もちろん細かいところで大雑把な感じはあるんだけれど、結果をよくするための
努力やシステム、集中力、専門性なんかは すごいハイレベルにある。
映画のメイキングとか見てるとよくわかるよね。ぼくもオケのレコーディングで実感しました。
意思がはっきりある。(ときにありすぎる?)あやまらないしなあ(苦笑)
日本はどうだろう?この人が総理大臣になったら日本は変わる!っていう人が思いつくだろうか。
それよりも国民だって、それについて外国人に熱く語れたりするんだろうか。
前例を変えない、あるいは前例がないからやらない、そもそもいろいろやるのがめんどくさい、
こんな感じが日本の政治であり、官僚であり、だめになった大企業であり、
もしかしたら、今の日本全体の実情なんじゃないだろうか。
だって、変わったほうがいいことがたくさんあって、テレビなんかでも
毎日いろんなコメンテーターが、ああすればいい、こうすればいいって分析して、
けっこうほとんどの人がそのほうがいいなんて思ってることも多いのに、
いっさい、変わらない。
最近、仕事の中でもそういうことがあった。前例がなくて、今後のことが面倒くさいから
クオリティがあがるかもしれないけれど、新しいことはやらない、的な場面。
かっこつけるわけじゃないけれど、前例がないからやりたいとか思わないかなあ。
クオリティを上げるためなら、あらゆる手段を取りたいとか 考えないかなあ。
ダーティな部分もたくさんあると思うけれど、ハリウッドにはやはりそんな
作品に対してそう考えて行く姿勢が根底にあるような気がします。
そして、そんなハリウッドは政治にも積極的にかんでいる。
「ポリティカル・セックスアピール」という本を読みました。
政策や主義主張以前に有権者を惹き付けるなにかがあるか、って話なんだけれど
ようするに元々のルックスやファッション、話し方、いろんな演出が
大事ってこと、代理店の仕事 みたいなことかと思ってたら
けっこう切り口が違ってました。
ようするにハリウッドのプロデューサーは映画俳優・アーティストの金の卵を見つけて
育てるように大統領に関わってきたってこと。
映画をプロデュースするように選挙戦を演出するってこと。
ハリウッドと政治の関わりの深さみたいなのは、なんとなく知ってたけれど
利権っぽい感じで現行政府とつながるみたいなことかと思ってたけれど、そうじゃない
部分が大きいみたい。
で、どっちかというと金のためというより、人に才能を見いだして投資したり、
作品を作り出したい という気持ちで動いている面が大きいように感じる。
ぼくの身の回りでも、もう働かなくてもぜんぜん大丈夫っていうミュージシャンが、
というかそういう人ほど、仕事に対して積極的だし、内容も濃い。
元々生活のためにやってるわけじゃないから、目標が高い。
オバマ新大統領が本当にはどういう人かなんてわからないけれど、
おそらく公私なんてないくらいオープンになっちゃってるだろうし、
演じきってしまえば本物だと思う。私利私欲のためではなく理念で動いている。
日本は代理店の国。代理店にはポリシーも理念も熱意もなにもない。
アメリカはその逆。そしてプロデュースの国。
別にぼくはアメリカ礼賛派でもなんでもないし、どっちかというとあまり好きじゃないくらいかも
しれないけれど、だんだん日本に対して、ネガティブな気分が増えてきている。
雨降りの日に歩いて、靴に雨水がしみ込み、だんだんジーンズの裾にまで泥水がしみ込んで重くなってきて
しだいに歩きにくくなるような気分。
それでも、自分なりには進んでいるような感じはするし、仲間にも恵まれている。
別に暗い気持ちになろうと思ってこんなことを書いている訳ではなくて、
だからこそ、このままベストをつくそうと思うってことです。きっと。
日本にだって、大げさじゃなく命削って作品作っている人もたくさんたくさんいます。
さて、大晦日、しゃべりすぎました。
Kind Of Blueでも聴いて、酒でも飲もうかな。いや、ずっと飲んでたけど(笑)。
ではでは、みなさん、ぼくの大切な友人も、知らない方も
よいお年を。