now’s the time !

映画・音楽を作る・その他の話。

 フェラーリ連勝!

ドイツグランプリ、フェラーリ、ワンツーで終了。
シューマッハ自力優勝の可能性復活!
ってことで、おもしろくなってきました。

というわけで F1ビジネス―もう一つの自動車戦争 (角川oneテーマ21) という本の話。
HondaのF1チームを率いた人の書いた本だけれど、
ジャーナリストの誇張した感じがなくて、事実がちゃんと伝わって
くるようでおもしろかった。


F1の特別さを説明するのに数字をあげている。
0キロから200キロに加速するまで5秒以内。
ブレーキディスクはブレーキングの1秒以内に600度
ドライバーは1レース平均2600回のギアチェンジを行う。
レースごとに移動するチームの人数は約100人。
いま11チームあるわけで、世界中18レースをその人数が移動。
というか、チーム以外のマスコミや関係者なども一緒に移動か。
ホテル代もぼられるらしく、モナコだとチーム代表、ドライバークラスの
部屋は1泊14万、スタッフで8万くらい その100人分×6泊。
シューマッハの年収 2004は90億円。
トップチームの年間の支出は200億円くらい。
今年のスーパーアグリのように新チームで参戦するには預託金54億円。

もっともっとわけわかんない数字はあるけれど
すごいということだけは、よくわかる。

で、この前の話と同じだけれど
これだけのお金や人をつぎ込んで、そして勝つために
最後に必要なことは「ミスしない」ことだと思う。
ドライバーは2600回のギアチェンジや各コーナーでのブレーキング、
アクセルワークなど、ミスすればすぐにコースアウトだ。
PS2のF1ゲームとかでも、そのシビアさはすぐにわかる。
ピットクルーも1レースに2回から3回あるタイヤ交換と給油。
給油量が少なければ、タイヤ交換は5秒で終わる。

極限まで技術をつきつめ、お金もかけ、人も訓練して、
ビジネスとしても巨額の取引が行われ、モーターホームには
セレブが出入りし とそこにはつまらない精神論なんか入り込む
余地もない。
ヨーロッパの大人の成熟したエンターテインメントなんだと思う。
エコロジーには反しているし、退廃的な部分もあるけどね。


自動車はどんどんただのツールになっていくと思うし、
ガソリンエンジンだってなくなるかもしれないけれど
車の運転の楽しさの最高峰のF1は残っていてほしいと思う。
(ほかのレースも楽しいけれど。WRCとか。アメリカのレースにはちょっと
疑問もあるかな)

小説の ダヴィンチコード の中では
フランス人気質、文化と アメリカ人のそれとの比較みたいなものが
随所に書かれていたのだけれど
アメリカ人の学者とフランス人の女性警官が二人で逃げるときに
車を運転したのは女性のほうだった。
理由はアメリカ人がマニュアル車を運転できなかったから。
映画ではこのあたりはうまく描かれてなかったけれど。