now’s the time !

映画・音楽を作る・その他の話。

 歌は世につれ。

タイアップの歌謡史 (新書y)
を読みました。
日本で流行る音楽で日本人が作ってるものは
全部、歌謡曲って言っていいような気がする。(とても乱暴ですが)
日本で一般的に広く認知されるのが歌謡曲
ときには、クラシックやジャズや童謡のときもあるけれど、インストも含め
みんなが知っていれば(つまりたくさん売れれば)ある意味歌謡曲
で。そんな風に音楽をたくさんの人に広める手段で、ものすごく有効なのが
タイアップで、この本は、戦前の「カチューシャの唄」から2006年の「タイヨウのうた」まで
タイアップという切り口で歌謡史をまとめている。
80年代はそんなタイアップ曲やその背景をユーザーとして楽しみ、
90年代はそんなタイアップ曲やその背景をスタッフとして苦しんだ(笑)身としては、
すごく目新しいことは書いてなかったけれども、
記憶をたどってみれば、なるほどということもたくさんあった。


いい悪いじゃなく(いや、けっこう悪いか。。。)
メディア戦略で、音楽に限らず流行は作られる。
たまにそうじゃないものが出てきても、あっという間にメディアに取り込まれ
二番煎じならず五番煎じくらいまでの後発にまぎれて
あっという間に、インフレになり消費され、ナツメロになり、
イマサラ になってしまう。
日本だと政治でもその傾向は強いし、
どうやらそういう国民性なのだと、あきらめるしかないな なんてことも思う。


でも、制作に関わる身としては、
ある時代のある人たちのプロとしての意識や、
いま自分がなにを考えてやっていかなきゃならないか なんて
ちょっと考えたりした。
考えたりしてるだけじゃなくて、動かなきゃさ。