now’s the time !

映画・音楽を作る・その他の話。

 Kind Of Blue

この数週間、いや数ヶ月、数年、リアルには数日間、(そんなことすら曖昧なのだけれど)、
なにかひっかかっていること。
それは、静かにそして確実に自分の中に根付こうとしている感覚、
根付くというよりも、もう長い間なにも手入れをしていなかったプランターから
何かの芽が出てきたという感覚の方が近いかも。

15歳から22歳まで、有体にいうとなにかしらの孤独の中にいた。
個人的には誰もが若い頃に通り過ぎる、後から考えると微笑ましくさえも思える
特有の愚鈍さであろうと当時から客観的な距離も計りつつ、それなりにその闇を抜け出そうとしていた。
助けになったのは小説であり、映画であり、音楽であった。
生き延びるのは、意外にさほど難しくはない。

そしていつの間にか、夜がくるのも朝になるのも酒を飲むのにも
なにもつらさは必要ではなくなった。ぼんやりしていても夜が来て酒を飲み朝になる。

そんな風にして歳をとり、大人になった。

でも、ツケはまわってくる。
ドアは見えていたのかもしれない。鍵も持っていた。
でも、僕は開けなかったのだ。
ドアの前で引き返して、こちら側に残った。
その結果、「呪い」も残ったわけだ。失敗したパン屋襲撃のように。

もうその「呪い」を解くには遅すぎるのかもしれないけれど、
鍵を回し、ドアを開けるべきなのだと思う。思いたい。
もしドアが見つかれば、の話なんだけれど。

毎朝、ねじをまく。
静かで孤独で平和な日曜日のことを思い出しながら。