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映画・音楽を作る・その他の話。

 村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。 (PHP新書)

村上春樹の分析本は相当持ってるんだけれど、
基本的にはだから何?とは思ってる。(なのにたくさん持ってるけれど。。。)
この本はそんなたくさんの分析本とはずいぶん違ったアプローチをしていて、
そして小説の読み方に別に正しいとかどうのはないはずだから
この本のような読み方もすごくいいと思う。
実際に三島由紀夫の作品との比較はスリリングだったし、
あらためて村上春樹の一筋縄ではいかない緻密さを再認識できた。
だいたい、また村上春樹の本を読みかえしたいとぼくに思わせたのだから
その部分だけでもこの本の試みは意味があるのだと思う。
昔、誰かが、音楽批評について、
ほめていたとしてもけなしていたとしても、読んだ人がその音楽を
聴きたくなれば、いい音楽批評だというような趣旨のことを言ってたような気がする。
その必要性はともかく、ぼくもそう思うし、作る側の人間としては
そうであって欲しいと思う。